このように口コミやランキング、AIを使って理想的な病院や医師を見つけることができたとしよう。しかし、それを最大限に生かすために、忘れてはいけない大切なことがある。医師や病院との良好な関係づくりだ。前出の楊氏は次のように話す。

「私の経験からも言えるのは、患者さんにはよい患者さんと残念な患者さんがいるということです。よい患者さんは、上手に医者の力を引き出すことができます。賢くて受診リテラシーが高い。そういう患者さんにはこちらも積極的に情報提供し、治してあげようという気持ちになる。逆に、態度の悪い横柄な患者さんもいます。医師が偉いとかそういう問題ではなく、残念ながら、モンスターペイシェント(患者)を含め、人として当たり前のことができていない患者さんが増えています。それでは医療者側もやる気が失せ、患者さんにとっても損になります」

クチコミやランキングなどで患者が病院を選ぶ時代ではあるが、患者が偉くなったわけではない。医師の力を引き出すためにも、そこを勘違いしないよう、患者側として肝に銘じておきたい。

楊 浩勇
医師
メディ・ウェブ代表取締役会長。医療法人健究社理事長。慶應義塾大学医学部卒。著書に『上手な医者のかかりかた』。
 

塩飽哲生
リーズンホワイ代表取締役社長
東京大学工学部、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。著書に『病院選びの前に必ず読む本』。
 
(撮影=石橋素幸、むかのけんじ 写真=iStock.com)
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