年齢を重ねると増えてくる体の変調。突然のそのとき、どこの病院に行き、どんな医師を訪ねるべきなのか。9つのポイントで検証した。第3回は「検査回数多いvs少ない」――。
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです
すぐに検査をしたがる事情とは
通院のたびにいつも同じ検査ばかり受けている人はいないだろうか。もしかしたら、少しでも稼いでおきたい医師の思う壺かもしれないと警告するのは、オンラインで病気治療の相談や情報発信を行う「eクリニック」代表の岡本裕医師だ。
「たとえば、MRIを購入しようとすれば、億単位で費用がかかります。その採算をとるために考えることはひとつ。どうしても、すぐに検査を勧めようとしてしまうでしょう」
MRIは維持費もかかり、1日10人以上は検査しなければ採算が合わないそうだ。検査好きの日本人は、医療についてのコスト意識が薄いが、病院の質を判断するには、診療報酬の仕組みを大雑把にでも知っておくことは大切だ。
「診療報酬ではMRI検査やCT検査は撮影料、診断料、管理料などさまざまな加算があります。一方で、生活指導や食事指導ばかりしていては、点数が低く経営が苦しくなります。また、以前は薬が収益源でしたが、今は外部薬局の利用が推進されていて難しくなっており、検査で稼ぐしかない状況です」(岡本氏)
日本は海外に比べて検査機器が多く、診断技術も進んでいるといわれる。岡本氏は「まずは検査を受ける前に、検査の目的や使われる装置の特徴を知ること」という。
あなたに必要ながん検診とは
がん検診も、どう受けるべきか見極めたいところだ。
「今や消化器専門医で自らの胃がん検診をバリウム検査で行っている人は私の周囲にはいない」と語るのは日赤医療センター、亀田総合病院、クリントエグゼクリニックなどで勤務する近藤慎太郎医師だ。