※本稿は、白潟敏朗『知らない人を採ってはいけない』(KADOKAWA)を再編集したものです。
労働力人口1週間に1万人減のインパクト
前回記事では、リファラル採用(社内外の信頼できる人脈を介した、紹介・推薦による新しいタイプの進化した縁故採用)の定義、動向、メリットおよびデメリットを紹介しました。
「社員の推薦と紹介による採用手法」と聞いて、サイバーエージェントのような大企業や、メルカリ、ビズリーチのような有名ベンチャー企業は上手くいっても、無名・中小企業では上手くいかないのでは? と感じる社長・人事部長もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。「魅力向上型リファラル採用」であれば、たとえ無名の中小企業でも必ず成功します。ただし、成功のためには3つの前提条件をクリアする必要があります。
(2)嘘をつかない
(3)社長が耳の痛い提案を聴ける
700万円かけても1人しか新卒を採れない
3つの条件をクリアし、トップが本気でリファラル採用に取り組めば、必ず上手くいきます。今や1人あたりの採用単価は100万円超えが当たり前です。先日お伺いした従業員300人の会社は、業界ではそこそこ知られた会社なのに1人あたり150万円かかっていると聞いて驚きました。700万円かけて1名しか新卒が採れなかったという悲惨な話すら聞きます。
図表1をご覧ください。労働力人口は2015年からの10年で600万人減少します。1年で60万人、1週間で1万人働く人がいなくなります。この流れは、しばらく変わりません。
さらに図表2をご覧ください。人手不足倒産の件数が毎年増えています。5年間で2.5倍増、2017年には114社が、人がいなくて倒産しています。2018年の上期は70社なので、おそらく140社以上の会社が倒産するでしょう。
求人広告に何百万円もかけたり、年収の35%という高い費用を人材紹介会社に払って採用しても、すぐに辞められるようなことが続いたら、中小企業にとっては死活問題です。大企業だって高みの見物とはいきません。しかし、今さらハローワークで優秀な人材は採れません。多くの企業、とくに中小企業の社長や人事部長はこのようなジレンマに陥っているのではないでしょうか。