今年は株で11億円を稼いだ
――『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)を上梓されました。なぜ本を出そうと思ったのですか。
【cis】本を出すことに興味はないです。自分の投資手法を世の中に広めたいという気持ちもありませんでした。でも、10年以上の付き合いがある麻雀ライターの福地誠さんから口説かれたので、まあやってもいいかと。彼がかかわることで、何か面白いものになるんじゃないかと思ったのです。僕は彼の書いた麻雀の本が好きでした。麻雀の本は、分かりにくくてつまらないものが多い。でも彼の本は分かりやすいのに読者には媚びていないし、面白く読めるんですよ。
――cisさんは投資で230億円を稼いだそうですが、いまも資産は増え続けているのですか。
【cis】2018年を振り返ると、株で11億円くらいは稼ぎましたね。仮想通貨でも4~5億円の利益がありましたが、税金が重いので手元にはあまり残りませんでした。株の利益は、どんなに収入があっても一律で20.315%の税率じゃないですか。でも、仮想通貨の利益は他の収入と合算して税率が決まる「雑所得」なので、僕の場合は最高税率の55%(所得税45%+住民税10%)になってしまう。効率は悪いですね。
お金を確実に増やせるチャンスを逃さない
――ぜひ教えてほしいのは、「素人がこれから投資で稼ぐにはどうしたらいいのか」ということです。cisさんが、いま100万円の手元資金から投資をスタートするならどうしますか。
【cis】う~ん、難しいなあ……。いまの時代は個人トレーダーにも巨額を稼ぐチャンスがあると思いますよ。投資は勝ちと負けの合計の差し引きがゼロになる「ゼロサムゲーム」だとよく言われるでしょう。つまり、負ける人がいなければ勝つ人もいないという見方です。もちろん手数料はありますから、その見方的には厳密には「マイナスサムゲーム」ですけど。
でも、市場全体の富の総量が増えるときもあります。たとえば、2012年12月に第二次安倍内閣が誕生してアベノミクスがはじまりました。アベノミクス前の日経平均株価は9000円前後でしたけど、2018年10月には2万4000円を超えています。つまりアベノミクスのはじまる前後に株を買っていた人は8割、9割が勝っているはず。こういう時期を逃さないようにすれば、わりと簡単にお金を増やすことができます。
いまはどうか言うと、株は難しい相場になっていますけど、投資手段はそれだけではありません。仮想通貨の時価総額は、上位3つの「ビットコイン」「イーサリアム」「リップル」だけで約17兆円になっています(2018年11月現在)。でも2年前は、すべての仮想通貨で2兆円程度の時価総額だった。つまりこの市場自体に2年で15兆円分の富が増えたことになります。まあ仮想通貨もいまは下がり目なので、僕自身あんまり興味はないですね。