IPO株、上場後の狙い目は「値上がり時」
会社に置き換えれば、もっとわかりやすいかもしれませんね。ある人が起業して10年後にその会社の株価の時価総額が10兆円になったとします。これは普通にありうることですよね。でも新たに10兆円の会社ができたからといって、他の会社の価値が10兆円分減るわけではないですよね。つまり、富が増えたのです。運用で成果を得るには富が増えるものに投資すればいいのです。
――すると、これから株で増やすことは難しいですか。
【cis】初心者が株で増やすなら、さまざまな証券会社に口座を開いて、IPO(新規上場株)の申し込みをするのがいいと思いますね。IT系で東証マザーズに上場する銘柄なら、上場後に値下がりするリスクは低いと思います。
ただ、IPOは抽選なので、もし当たらなければ上場後(セカンダリ)を狙います。セカンダリなら誰でも買えますし、購入する株数も自由です。ただ、上場後に値上がりしている銘柄を買うのが基本です。これを「順張り」といいます。上場で値がついた後に株価が下がると割安に感じて買いたくなる人がいます。これは「逆張り」と言いますけど、僕なら手を出しません。あくまでも上がっている株がいいと思いますよ。
本能に克たねば相場には勝てない
――IPO株を買ったとして、いつ売却すればいいですか。
【cis】僕の場合は、上がっている間は売りませんね。初心者にありがちな失敗は、少し上がったところで慌てて売ってしまうことです。売って利益確定をしない限り「勝ち」になりません。だから、「次の瞬間に下がり始めて、せっかくの利益が吹き飛んでしまったらどうしよう」と不安になって売ってしまうのでしょうね。
逆に買った株が下がっても、売らなければ損は確定しませんから、なかなか損切りができない。結局、下がった株は塩漬けにして、上がった株はすぐに利益確定する。これは人間の本能に近い行動だと思いますけど、本能に従っていたらお金は増やせませんよ。
ですから株価が上がっている限りは1年でも2年でも保有して大きな利益を狙う。しかし、2回下がったら僕は売ることが多いですね。IPO株に限りませんが、上昇が続いている銘柄の場合、一度下がっても復活することはよくあります。でも、2回大きく下がると、復活せずにそのまま値下がりが続くことが多いんです。