大学受験シーズン間近だ。中でも、国公立大の医学部は例年、入試問題の難易度と競争率が極めて高い。そんな文字通りの超難関に、高校3年の現役で合格する生徒が多数在籍する高校とはどんな学校なのか。2018年の国公立大医学部への「現役合格率ランキング」を紹介する――。

※本稿は、「プレジデントFamily 医学部進学大百科 2019完全保存版」の「医学部に強い高校ランキング200校」を再編集したものです。

1位の灘(兵庫)はクラスの5人に1人が医学部

「プレジデントFamily 医学部進学大百科 2019完全保存版」

今回、「プレジデントFamily」の編集部では、全国名門高校の「国公立大学 医学部医学科」への合格実績を調査するにあたり、現役合格者数ではなく、現役合格率(合格者数÷卒業生数×100)でランキングを作成した。上位には、私立の中高一貫校が名を連ねる。医学部受験に詳しい大学通信の安田賢治常務取締役は次のように語る。

「大学受験全体では文系学部が人気ですが、医学部の人気は高止まりを続けています。地元志向の高まりや地域枠の拡充で、地方トップ校の生徒たちが、東大・京大ではなく、地元の医学部を受験する傾向にあることも人気を下支えしています」

上位には久留米大附設(福岡・3位)、愛光(愛媛・4位)、ラ・サール(鹿児島・5位)、北嶺(北海道・6位)など地方の私立トップ校が名を連ねている。また、30位前後から熊本、新潟など地方公立トップ校の名も目立ち始める。

洛南(京都)が現役合格者数を41人→56人へと伸ばせたワケ

そんな中で18年に順位を大きく上げたのが10位の洛南(京都)だ。医学部への現役合格者数を17年の41人から56人へと大きく伸ばした。

「学校として医学部受験を推進したり、対策を行ったりしているというわけではありません。ただ、06年に男子校から共学化したのですが、共学化前から医学部志向は高まってい

ました。その中に、同じく医学部志向の傾向が強い女子が加わったことで、より拍車がかかりました。その影響が医学部への進学実績に反映されている部分があると思います」

そう語るのは17年の高校3年生の担任を務めた杉山浩之氏だ。

「高い実績は、中学の先生方が学習の素地をつくってくれたおかげです。また高3での合宿で上手に追い込みをかけられたことが大きい」

合宿は1年間で3回行われる。そのうちの高野山学習合宿は、1週間泊まり込みで、日中は大学別対策や分野別対策、夕方以降は自習というスケジュールだ。

「参加率はおおよそ50%です。周りにクラスメートがいるから、頑張れたという声が毎年生徒から上がります。こうした最後まで粘る姿勢も、進学実績につながったと感じます」

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