安倍首相は「女性活躍」に本気ではない

朝日社説は「『女性活躍』を掲げながら、女性閣僚が1人というのも、看板倒れだろう」とも批判しているが、毎日新聞の社説(10月4日付)はそれをひとつのテーマとして扱い、「女性閣僚たった1人」「本気でないのが明らかに」という見出しを掲げて批判する。

「安倍晋三首相を含む20人中、女性は地方創生・女性活躍担当の片山さつき氏ただ一人。政権は政府や民間企業に、女性の意思決定参画度などを数字で表す『見える化』を求めてきた。まさに旗振り役の本気度のなさが見え見えになった形だ」
「『女性が活躍する社会』を看板政策にしながら、どういうことか。記者会見で問われた首相は、『日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり』と釈明した。就任から5年半以上たった首相の言葉ではなかろう」

毎日社説は朝日社説と肩を並べて安倍政権には厳しい。「本気度のなさ」「首相の言葉ではなかろう」という書きぶりからもそれがうかがえる。

そして毎日社説は主張する。

「この間、本気にさえなれば、女性の国会議員を増やし、閣僚となるべき人材も育てられた。足りなければ民間からの起用もできたはずだ」

「派閥の領袖の意見を聞いているうちに女性は1人になってしまったようだ」と分析する新聞記事もあったが、実は本気になっていなかっただけなのだ。今回の毎日社説はそのことをうまく書いている。

毎日社説は「『閣僚待ち』状態の男性議員を多数入閣させ、党内のバランスをとる内輪の事情があったのだろう。しかし『女共同参画』は、国内外で繰り返してきた約束だったのである」と指摘した後、皮肉を込めて主張する。

「安倍氏は『紅一点』となった片山氏について、『超人的なガッツの持ち主』であり、『2人分、3人分の発信力を持って仕事をしていただける』と述べた」
「軽い調子の発言かもしれないが、男性以上の働きを示さなければ女性を一人前として認めない風潮が、女性の社会進出を阻んできたことを忘れてはならない」

やはり安倍晋三という男は、「女性が活躍する社会」の重要性を分かっていない。

(写真=時事通信フォト)
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