リッチな老後を迎えられる人と、そうでない人。将来の明暗を分けるものはなにか。それはあなたが意識せずに行っている月々の出費や日々の習慣である。今回、4つにテーマにわけて、識者に改善案を示してもらった。第4回は「想定外」について――。

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2017年11月13日号)の特集「金持ち老後、ビンボー老後」の記事を再編集したものです。

60歳以降、3回来る「収入ダウンの崖」

年齢を重ねてからの想定外の出費には、リフォームや家族の葬儀、知人の不祝儀などがありますが、子どもや孫への援助については、思いのほか負担が大きくなるのに、ちゃんとカウントしていない人が意外に多いですね。

たとえば子どもが2人いるとする、最初に結婚したほうにお祝いで100万円を出せば、もう1人にも同じく100万円出さざるをえません。その後の新居の購入費用だって、援助するつもりはなくても、先様の親が「200万円援助する」と言えば、こちらも仕方なく200万円渡すことに。もう1人についても同様です。

バカにならないのが、孫の“育成費用”。よくあるのが、孫が熱を出したから、と共働きの娘から呼び出され、面倒を見なければならないケース。遠方だと交通費だってかかる。泊まり込みで行くのに、娘が親に食費を1万円渡すだけですまそうとしたケースがありました。このとき「1万円で1週間の食費が持つと思っているの?」と娘さんにきちんと伝えた母親は立派だと思いました。ともあれ、子ども夫婦の子育てサポートにかかるお金は、見えにくいけれども、実は相当な額になるんです。