転ぶこともありますが、転んだら起き上がればいい

──今後、社長として取り組まれることと、そこに必要な人材像とは?

一歩先を行く商人でありたいというのは、伊藤忠全社員の統一した考え方です。衛星ビジネスにおいても、また中国・アジアへの投資においても、我々は常に一歩先んじてきました。他に先んじれば転ぶこともありますが、転んだら起き上がればいい。スピードや方針転換の柔軟性こそ、財閥系にはない我々独自の強みです。

ご存じのとおり当社はカンパニー制の縦割り組織になっていますが、今後全社でデジタル化を進めていくのをきっかけに、横断的に繋がるような進化を促したい。その進化の先に新たな事業やサービスを「創る」段階が来ることも視野に入れながら、好調なこの時期にまずは小さな変化を起こしていこうと、岡藤会長CEOとは話し合っているところです。

既存のやり方に安住せず、一歩を踏み出すことを恐れず、かといってガムシャラに突っ走るのではなく、着実に成果を上げる。そういう人材を育てていきたいと思います。

▼QUESTION
1 生年月日、出生地

1955年6月21日、宮城県
2 出身大学学部
東京大学工学部
3 座右の銘、好きな言葉
Control your own destiny or someone else will.
4 座右の書
『坂の上の雲』司馬遼太郎
5 尊敬する人
ジョン・F・ケネディ
6 私の健康法
毎朝のジョギング
鈴木善久(すずき・よしひさ)
伊藤忠商事 社長COO
1979年東京大学工学部卒業後、伊藤忠商事に入社。2000年4月航空宇宙部長、03年6月執行役員。07年4月伊藤忠インターナショナル社長。12年6月ジャムコ社長。16年4月伊藤忠商事専務執行役員、情報・金融カンパニー プレジデントを経て、18年4月より現職。
(構成=大島七々三 撮影=的野弘路)
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