今回の震災にあった人々には、生活を再建しようとする意志を持ち続けてほしい。失われた命や財産はあきらめなければならないが、生活の再建だけはあきらめないでほしい。この意志さえあれば、どうするかという方法はわからなくてもよい。

<strong>経営学者 加護野忠男</strong>●1947年、大阪府生まれ。88年神戸大学経営学部教授。99年より神戸大学大学院経営学研究科教授。2011年4月より甲南大学特別客員教授に就任予定。『松下幸之助に学ぶ経営学』『経営の精神』など著書多数。
経営学者 加護野忠男●1947年、大阪府生まれ。88年神戸大学経営学部教授。99年より神戸大学大学院経営学研究科教授。2011年4月より甲南大学特別客員教授に就任予定。『松下幸之助に学ぶ経営学』『経営の精神』など著書多数。

このことをうまく表現しているのは、アメリカのノーベル賞作家、スタインベックである。その著作『怒りの葡萄』の冒頭で砂嵐に襲われたオクラホマのとうもろこし農家の家族の様子を次のように描いている。