今回の震災にあった人々には、生活を再建しようとする意志を持ち続けてほしい。失われた命や財産はあきらめなければならないが、生活の再建だけはあきらめないでほしい。この意志さえあれば、どうするかという方法はわからなくてもよい。
経営学者 加護野忠男●1947年、大阪府生まれ。88年神戸大学経営学部教授。99年より神戸大学大学院経営学研究科教授。2011年4月より甲南大学特別客員教授に就任予定。『松下幸之助に学ぶ経営学』『経営の精神』など著書多数。
このことをうまく表現しているのは、アメリカのノーベル賞作家、スタインベックである。その著作『怒りの葡萄』の冒頭で砂嵐に襲われたオクラホマのとうもろこし農家の家族の様子を次のように描いている。
「(畑を)見まもっていた男たちの顔は、ぼんやりとした、とまどったような表情が消え、きびしい、怒りをこめた抵抗の表情をおびていった。それで女たちは、もう大丈夫だと知り、元気が挫けはしなかったことをさとった。それから彼女らはたずねる。どうすればいいの? 男たちは答える。わからねえ。しかし、それで万事よいのだ。女たちは、これで万事大丈夫だと知っていたし、これを見まもっている子供たちも、大丈夫なのだと知っていた。女たちも子供たちも、どんな不幸だって、男たちさえしゃんとしているなら、けっして耐えられないほど大きくはないということを心の奥の深いところで知っているのだ」(大久保康雄訳)
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