大自然のおそろしさと、それを制御する安全策に絶対はないことをあらためて教えられた今回の大震災ですが、われわれ日本人はうなだれる必要はまったくありません。特筆すべきは、現場対応のすばらしさです。数ある避難所で、何らかのトラブルや乱暴狼藉が起こったという話は聞きません。東京でも、タクシー待ちの行列は何時間も乱れず、きわめて整然としていましたし、帰宅難民を救おうと、ロビーを開放するホテルがいくつも現れました。

<strong>経済学者 竹中平蔵●</strong>1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年小泉内閣の経済財政政策担当大臣に就任。06年より慶應義塾大学総合政策学部教授・グローバルセキュリティ研究所所長。09年よりパソナ会長も兼務。
経済学者 竹中平蔵●1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年小泉内閣の経済財政政策担当大臣に就任。06年より慶應義塾大学総合政策学部教授・グローバルセキュリティ研究所所長。09年よりパソナ会長も兼務。

いざというときは「お互いさま」と助け合う、強い相互扶助の精神。海外メディアからも絶賛されましたが、その点において日本人は世界でも屈指の国民なのでしょう。

(荻野進介=構成 相澤 正=撮影)