インド式棒算は交点の数を数えればいいだけ

では、「12×13」はどうか。同じようにまず12本の平行線を引き、それに交わるように13本の平行線を引いて、その交点を数えればよい。ただし、数字が大きくなると棒線の数も増え、書くのが面倒だし、交点を数えるのも大変だ。そこで図のように十の位と一の位を分けて線を引くとよい。

まず「12」を「10」と「2」に分けて、少し離して3本の平行線を引く(左上に1本、右下に2本)。次に「13」を「10」と「3」に分けて、交わるように4本の平行線を引く(左下に1本、右上に3本)。左は十の位どうしの交点が1個なので「100」、真ん中は十の位と一の位の交点が5個あるので「50」、右の一の位どうしの交点は6個なので「6」となり、答えは「156」となる。

一の位の交点の数が10個を超えた場合はどうするか。たとえば「12×16」だと、百の位が1個、十の位が8個、一の位が12個。そこで一の位から十の位に1つ繰り上げて、答えは「192」となる。

筆算は九九を知らないと計算できないが、このインド式棒算は交点の数を数えればいいだけなので、九九を知らなくても計算できる。すごいぞインド人!

とはいえ、試験でいちいち棒を書いて交点を数えていたら、時間がかかってしかたがない。商談などのビジネスシーンでそんなことをしていたら、「それなら電卓を使えば」と相手から突っ込みが入るかもしれない。結論、少なくても九九を覚えておくのが無難なようである(笑)。

タカタ先生
日本お笑い数学協会会長
現役で高校の数学教師を務めながら、お笑い芸人として多くの人に数学の面白さを伝える数学教師芸人としても活躍。日本お笑い数学協会の著書『笑う数学』を1月に発刊。
(構成=田之上 信 写真=iStock.com)
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