いざというとき、自分の身を守ってくれるものは何か。その筆頭は「法律」だ。「プレジデント」(2017年10月16日号)の「法律特集」では、職場に関する8つのテーマを解説した。第4回は「不倫の大きな代償」について――。(全8回)

40代水商売の女性と不倫していた50代既婚男性の事例

不倫は相談件数が多い割にそのリスクを理解している人が少ないように思います。不倫相手との別れ方を間違うと思わぬ痛手を負いかねません。

別れ話をきっかけに関係がこじれる主なパターンは、配偶者にバラされてしまうケース。場合によっては、配偶者から離婚を突き付けられ、損害賠償を請求されることもあります。別れ話を切り出された不倫相手は、「夫婦関係を破綻させれば、相手はまた自分のもとに戻ってきてくれる」と思い、相手の配偶者にバラすのです。

私が担当した事件で印象的なのは、40代水商売の女性と不倫していた50代既婚男性の事例です。

男性は最初から遊びのつもりで女性と関係を持っていました。しかし、相手の女性は本気。付き合って程なくして結婚をにおわせてきました。それで危険を感じた男性が別れ話を女性に切り出すと、「奥さんにバラす」という脅し。女性が暴走しないよう、男性は渋々関係を続けましたが、半年後に思い切って関係を絶ちました。

すると、相手の女性は奇襲をかけてきます。なんと、男性の妻にSNSで不倫をバラしたうえ、男性を訴えてきたのです。