内田茂を復活させよ!
公明党はこれからの小池都政に対し「是々非々でいく」と言うが、事実上の野党宣言と捉えたほうがいい。今後は都議会自民党と結束して知事と対立姿勢を鮮明にしていくことは間違いない。数がそろっている以外に何のとりえもない都民ファーストの会は、今後ますます蚊帳の外。知事が真っ先に懐柔したい公明へのおもねりをひたすら追認していくだけの政党と化すことだろう。
しかし、どんなに公明に小池が頭を下げたところで、これまで犯してきた失政を挽回することは不可能だ。都民からの支持すら失っている小池の提案を公明党が簡単に受け入れてくれるとは思えない。
もし、公明が「これからは自民党ともきちんと協議してください。そうでなければ私たちも動けません」と小池に通告したときに、小池に試練が訪れる。あれだけドンだのブラックボックスだのとバッシングをしてきた自民党との話し合いである。生来強気で他人に頭を下げることが苦手な小池に、自民党との関係改善を図ることができるのか。
最近、「飯島さんはどうして小池知事にそこまで厳しいのか」と聞かれることがある。私は別に小池を狙って批判しているつもりはない。間違っていることを間違っている、正しいものを正しいと評しているだけだ。できることなら、小池知事には3期12年くらい知事を続けて、東京を大改革してもらいたいと当選当初は思っていた。それなのに、できない約束をし(五輪施設問題)、ありもしない危機を煽り(豊洲問題)、都民の期待を裏切り続けたのは残念だ。
私が、都議会自民党なら、今こそ、都連幹事長に内田茂さんを復帰させる。いわずとしれたドン内田である。前回の都議選に出馬せず、議席を失ったものの、自民党都連のみならず、都議会の各会派から、官邸中枢におよぶ幅広い人脈は健在だ。そして内田の政治力の源泉となっているのが、都議会の歴史、人間関係、ルールを知悉していることだ。都議会の生き字引ともいえる内田が復帰すれば、ど素人集団の都民ファーストの会などひとたまりもない。徹底的に切り崩して内紛を起こし、害悪でしかない小池顧問団に鉄槌を下し、数カ月のうちに政権崩壊へと追い込める。小池は数の力も失い、来年3月にレームダック(死に体)化し、辞職に追い込まれるのは必定だ。小池も辞職になれば、案外、内心ホッとするかもしれない。
(文中敬称略)