※以下は午堂登紀雄『人生の「質」を上げる 孤独をたのしむ力』(日本実業出版社)の「『みんなでブレスト』をやめる」(152ページ)を再編集したものです。
孤独は想像力を飛躍的に発展させる
インターネットの普及やメディアの多様化によって、こんなに情報量が増えたにもかかわらず、なぜクリエイティブなアウトプットができる人と、そうでない人がいるのでしょうか。
結局、情報や知識を得ること単体では価値を持たせることはできず、それをどう編集・加工していくかが重要だということでしょう。
そしてそれには、ひとりになる時間が必要です。他人が入り込むとそこで思考が中断されますが、ひとりでいれば誰にも邪魔されず、得た情報をもとに黙々と分析したり自分のイメージをふくらませたりすることができるからです。クリエイティブ人材は、そうやって孤独の中からアウトプットを生み出すのです。
マーベルの父祖スタン・リーの「孤独」
たとえばスパイダーマン、超人ハルク、X-メンなどのアメリカン・ヒーローを生み出してきた天才スタン・リー氏はこう言います。
「私にとって、他人とは知的好奇心を刺激し、たのしませてくれるものなんだ。だから多くの人と関わることは、私にとってとても大切なこと。でもその刺激は、そのままでは形にならずに流れていくだけ。その刺激が何かを生み出すためには、ひとりにならなければならないんだ」
アイデアの原石を取り入れるには、たしかに外部からの刺激が必要ですが、アイデアを発展させるためには、他人と共有されないひとりの時間が必要というのです。
彼が言うように、外界からの刺激で何かをひらめいたとしても、それをいったん自分に引き寄せ、自分の中で加工していく必要がある。他人とのディスカッションで良いアイデアが出たとしても、自分の感性で練りこんでいく必要があるのです。