「哲学」は人生の役に立つのか。東京大学の梶谷真司教授は「問いの立て方が重要だ」という。たとえば「なぜいじめはダメなのか」ではなく、「なぜいじめられている人を見て笑うのか」と問う。そこから始まる対話は哲学の条件を備えている。具体的な方法を解説していこう――。

仕事、お金、婚活も「哲学」のテーマに

「なぜ働かなければいけないのか?」「どれだけお金があれば幸せか?」「どういう人と結婚したいか?」

哲学には、「小難しく」「変人がやっている」イメージがあるかもしれません。しかし、人生でぶつかるこのような素朴な問いも、「哲学」のテーマになりえます。

近年、「哲学対話」と呼ばれる活動の輪が広がりつつあります。哲学対話に哲学の専門的な知識は必要ありません。数人~十数人が車座になり、互いに向き合って一緒に問い、語り合い、考えを深めていきます。対話のルールさえ守れば、4歳の子どもでも参加できます。これまで、学校やマンションのコミュニティ、農村での会合、地域の子育てサークル、婚活パーティとさまざまな場所で、哲学対話をおこなってきました。どの場所でも皆さん生き生きと頭をひねり、語り合っています。