「カワイイ」が、世界に通じる日本のビジネスアイコンになる!?

外務省は2月、「ポップカルチャー発信使(カワイイ大使)」なるものを任命した。選ばれたのは、ロリータファッションのカリスマ青木美沙子、女子高生の制服風スタイルを代表する藤岡静香、原宿系ファッションをリードする木村優。今後、日本文化の発信役として諸外国へ派遣される。

外務省の委嘱状交付式で委嘱状を受け取る3人。左から、青木、木村、藤岡。

外務省の委嘱状交付式で委嘱状を受け取る3人。左から、青木、木村、藤岡。

「外国に日本をPRするため、これまでは伝統文化を紹介してきましたが、今の日本を知ってもらうということで、今後は世界の若者に人気の高いポップカルチャーも活用したい。7月、パリで開催されるジャパンエキスポにもカワイイ大使を派遣します」(外務省文化交流課・木戸大介ロベルト氏)

ポップカルチャー好きを公言する麻生太郎首相が外相だった時代から、アニメや漫画を現代の日本文化として、海外へ売り始めた外務省だが、「カワイイ」文化が最新の外交術の一部なのだ。

一方、NHKも昨春より最新のカワイイ文化を紹介する『東京カワイイ☆TV』(毎週土曜23時30分~)を放映中。視聴率も上昇中で、視聴者は20代女性に加え、意外にも「30~40代の男性も増えている」(ディレクター・海保香織氏)。どうやらビジネス目線で女性のトレンドを分析したり、父として娘世代の流行を学ぼうとしているよう。

この番組はロシア、中国、香港でも放映され、日本の在外公館からは「カワイイ大使を早く派遣してほしい」とのリクエストが外務省に殺到中だとか。

かつて外国から見た日本文化といえば、侍に芸者ガール? それが今ではドラえもんや“カワイイ”に変わっている。製造業などの基幹産業が低迷する今、彼女たちが日本経済の救世主になってくれないとも限らない。が、自分の娘がこんなファッションをしだしたら、話は別かもしれないが。