「ユーミンといえば、夏は逗子マリ、冬は苗場」……思い当たるあなたは、紛れもないアラフォー世代。しかも「派遣切り」や「ワーキングプア」のロスジェネ世代には、絶対に語れないほどバブリーで楽しい青春を送ったはず。

Suono Dolce 丸の内OLサミット with Yumingは3月23日19:00 ~公開収録。(終了)

Suono Dolce 丸の内OLサミット with Yumingは3月23日19:00 ~公開収録。(終了)

そう、松任谷由実、ユーミンといえば、誰もが希望を持っていた右肩上がりの世代の女王様、トレンドの神様、ラブソングの旗手。夏の逗子マリーナと冬の苗場スキー場でのライブに繰り出すのは恋人同士の年中行事。

バブル時代、私が竹橋の商社に勤務するOLだったころは、ユーミンのライブの夜はみな残業を切り上げ、走って九段下の武道館まで急いだものだ。当時の課長世代は荒井由実時代のユーミンファンで「早く帰れ、ライブに遅れるぞ」なんて……。

そのユーミンが帰ってくる。3年ぶりのアルバム「そしてもう一度夢を見るだろう」(4月8日リリース)をひっさげて。記念イベントとして、OLのメッカ丸の内で、現役丸の内OL合唱団50名とコラボレーション、そして3月23日から29日まで丸ビルのcafe easeは「Cafe de Yuming」に変身する。

しかしユーミンの求心力が及ぶのはアラフォー世代まで。アラサー女子たちが知っているユーミンはせいぜい「真夏の夜の夢」やジブリアニメ「魔女の宅急便」の主題歌「ルージュの伝言」、教科書に載っている「卒業写真」ぐらい。私がユーミンの有名なラブソングの歌詞をエッセイに引用したら、20代編集者の女子たちは誰もその歌を知らなかった。ガーン、ショック!

いつも働く女の子の味方だったユーミン。希望を持ちにくい今の世代のOLたちに、ユーミンの魔法が夢を見せてくれるといいけれど。