意気に感じて集まる多彩な専門家

プレイステーション(PS)の生みの親として知られる久夛良木健氏が戦略顧問に就任。

AI活用の取り組みはまだ始まったばかりだが、ジーエーはIT業界からは大きな注目を集める存在でもある。17年4月、不動産業界で初となる自社内研究開発組織「AI戦略室」が新設され、その室長に元ソニーの小林賢一郎氏が就任したからだ。小林氏は東芝およびソニーの研究所において自然言語、人工知能、ロボット(AIBO、QRIO)、データ解析の研究に従事。2007年からはソニーの主任研究員を務めていた。小林氏は同社への入社について「発足間もないスタートアップ業の意気に感じた」と述べている。

またAI戦略室のゼネラルマネジャーの橋本武彦氏は、一般社団法人データサイエンティスト協会の事務局長を務めており、業界の顔ともいる存在だ。同氏は入社の理由について「会社にデータ活用の風土がある」と語る。

さらに7月19日には、ソニー・コンピュータエンタテインメントの元CEOで、プレイステーション(PS)の生みの親として知られる久夛良木健氏が、ジーエーの戦略顧問に就任したという発表があった。久夛良木氏は就任にあたり、以下のようなコメントを発表している。

「少子高齢化や人口減少が進む日本社会において、不動産業界の“(新築を)建てては壊す” 風習にかねてより疑問を感じてきました。欧米のように、既存の建物にメンテナンスを加えながら大切に住み続ける文化を今後育くめたらと考えており、GA technologiesの“テクノロジーを活用して中古不動産市場を一段と活性化したい”という取り組みには意を強くしました。同時に、同社の事業領域でもあるリーテック分野にも大きな可能性を感じ、この度戦略顧問として参画することになりました。これまでに先端テクノロジー領域で培った経営経験を活かして、同社の事業を支援していきたいと考えております」

次々と著名人の参画を決めているジーエー。若き異色の経営者は、こうした人材を活用して、不動産市場に風穴をあけることができるか。注目が集まる。

【関連記事】
スマホを支える世界的「めっき」メーカー
トヨタが「リハビリロボ」に参入する事情
日本発IoT向けサービス「ソラコム」に世界が注目
その店が売れない理由、AIが教えます
トヨタも危機感! 自動車は異業種提携でどこへ向かうのか