金利は個人向け国債の同等以上!

金利の「東京スター」、ケータイで取引できる「じぶん銀行」
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金利の「東京スター」、ケータイで取引できる「じぶん銀行」

お金の安全な預け先といえば、銀行の定期預金や個人向け国債だ。個人向け国債の金利は、5年ものが0.82%(固定金利、2009年7月発行分)。一般的な銀行の定期預金は0.1~0.35%程度だから2倍以上だ。個人向け国債に惹かれる人は多いに違いない。が、定期預金には、もう一段、金利が高い「ネット定期」があり、こちらは0~3.1%程度。個人向け国債より高いものもある。

ネット定期は、銀行窓口やATMではなくインターネットを使って預ける定期預金で、人件費や店舗費用などの経費が安くすむ分、金利が高くなっている。預入期間は、6カ月、1年、2年、3年、5年などから選ぶ。

筆者がおすすめしたいのは、期間1年のネット定期だ。1年という短期で、5年ものの個人向け国債とほぼ同等か高い金利が得られ、1年後には、その時点で有利な金融商品に乗り換えることができるからだ。経済の先行きが不透明な中、安全な金融商品の中では金利が高く、使い勝手もいい。

ネット定期の金利は銀行ごとに異なり、高金利のネット定期を扱っている銀行は、ほぼ顔ぶれが決まっている。代表的なものを表にまとめてみた。

東京スター銀行は、東京に地盤を置く地方銀行。ネットバンキングなら全国から利用できる。住信SBIネット銀行とソニー銀行は、実在の店舗を持たないネット専業銀行だ。じぶん銀行は2008年夏に誕生した新しい銀行で携帯電話での取引が中心だが、パソコンからも利用できる。この夏、高金利のネット定期を扱う銀行のうち、筆者がおすすめするのはこの4行だ。

どの銀行も、ネット定期というからにはネット環境は必須。口座開設の申し込みもネットでできる。住所確認書類などは郵便で送る。実際に口座を使えるようになるには1~2週間かかるから、これはという銀行に、あらかじめ口座を開いておこう。ネット定期は、期間限定で高い金利を適用するキャンペーンを行うことが多い。その期間を逃さないことがポイントだ。また、銀行選びの際には利子を目減りさせないよう、無料でお金の入出金ができるATMが近くにあるかも必ず確認したい。

キャッシュカードを使ってATMから普通預金に入金したら、サイトにログインしてクリックで定期預金を作成する。わざわざ銀行に出向かなくても自宅のパソコンでいつでも定期にできる点も便利だ。通帳は発行されないことが多く、残高はネット上で確認する。

ネットを使うことに不安を感じる人もいるだろう。次のことを守れば、それほど心配することはない。パソコンには(1)最新のウイルス対策ソフトを導入する、(2)推測されにくいパスワードにする、(3)パスワードを他人に知らせない、(4)いつも自宅のパソコンまたは自分の携帯電話からログインする、(5)銀行の公式サイトからログインする。

全国銀行協会では、万一ネットバンキングで不正に預金を引き出された場合、銀行に過失がなくても、預金者に過失がなければ全額補償するという申し合わせを発表している。

預け入れの手段としてネットを利用するだけで、定期預金には変わりないから、もちろん預金保険の対象だ。銀行が倒産しても1000万円までとその利息は保障される。

銀行が競ってネット定期の金利を高くするのは、ボーナスシーズンや新規口座開設が多い春。ネット定期を賢く活用したい。

※すべて雑誌掲載当時