日本の裁判所では、金正恩を訴えられない

緊迫する北朝鮮情勢。本当にミサイルが落ちてくれば被害は免れない。けがをしたり家屋が壊れた場合、誰が損害を補償してくれるのだろうか。

中距離弾道ミサイル「北極星2」の発射実験を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(5月21日)。(時事通信フォト=写真)

まず思い浮かぶのは、加害者の北朝鮮を訴えて損害を賠償させること。しかし、北朝鮮への損害賠償請求を日本の裁判所に申し立てても、門前払いをくらう。星野宏明弁護士は次のように解説する。

「国家も権利・義務の帰属主体となるので、個人が国家を訴えることは可能です。ただ、それは自国政府に対する話。外国政府にまで裁判権が及ぶと主権侵害のおそれがあるため、国際慣習法上、外国政府を自国内で提訴することは原則的にできません。訴えても審理されずに却下です」