霊園から買うのは何の権利か

お盆の季節。お墓参りを何年もサボっている人は注意したほうがいい。霊園からお墓の永代使用契約を解除されるおそれがあるからだ。

永代使用契約は、文字通り永遠にお墓を使い続ける契約。永遠が保証されているはずなのに、なぜ途中解約されるのか。それを理解するには、永代使用権の法的な性格を知る必要がある。

お墓を建てるとき、使用者は霊園にお金を払って「永代使用権」を買う。永遠に使い続けるのなら、土地を買ったも同然のように見えるが、土地を買った場合に得られる「所有権」とは法的な性格が違う。小松初男弁護士は次のように解説する。

「所有権は、『使用』『収益』『処分』ができる権利です。一方、使用権に許されているのは『使用』することだけ。『収益』をあげることはできないので、お墓の区画の又貸しはダメ。『処分』できないので転売も許されません」

所有権との違いはほかにもある。たとえば霊園が間違って同じ区画を別の第三者にも販売したとしよう。所有権があれば、あとから買った人に対して「ここは自分のものだ」と主張して工事の差し止め請求ができる。これは所有権が「物権」(物に対する権利)の一種だからだ。

一方、使用権は債権(人に対する権利)の一種であるため、霊園に対して「他人が工事を始めた。債務不履行だ」と損害賠償請求できるだけだ。