社風が自分に合うかは給与と同じくらい重要
社風も重要だ。社風には、上に逆らえないトップダウン体質、年功序列主義、体育会的体質などさまざまある。転職コンサルタントは次のように指摘する。
「不動産業には体育会体質の会社が多い。ある会社は毎朝、始業時間前に大きな声で社歌を歌わせているが、求職者にこの会社を紹介すると『そういう会社はちょっと』と敬遠する人も少なくない。社風・風土が自分に合わないと言って辞める人もいるし、会社選びでは重要なポイント」
つまり、社風・風土が合うかも含めて、給与、職場環境、キャリアアップの可能性の4つのバランスを考えて、自分のベストプラクティスな会社を選ぶことである。
▼30~40歳のときに自分はどんな存在になりたいか
30歳、35歳、40歳のときに自分はどういう存在でありたいかを考えて4つの何と何を重視するかを選ぶのだ。
たとえば将来、転職も含めてスキル獲得を目指すのであれば、仕事はハードで残業を伴うが、好きな仕事をやらせてくれる会社を選んで経験を重ねることも必要になるだろう。
あるいは会社ではなく、マーケッターという職種のプロを目指すのであれば転職を前提に会社を選ぶ必要があるかもしれない。入社直後にマーケティング部門に配属する会社は珍しく、最初は営業部隊に配属される。マーケットに近いハードな営業で知られる会社で経験を重ね、自社のマーケティング部門に異動できない場合は、給与は安いが小さい会社のマーケティング部門に転職し、一から修業を積んでキャリアアップを図るという人が多い。
いや、自分はそうではなく1つの会社で職業人生を全うしたいという人もいる。その場合は給与に着目したい。
企業の中の賃金制度は大きく2つに分かれる。
1つは新興のIT、小売り、不動産業のように新卒入社後の賃金は比較的高いが30歳を過ぎると、選別されて一部のエリートの賃金は上がっていくが、大多数の社員は賃金カーブがフラットになり、それほど上がらなくなる制度を持つ会社。こういう会社は総じて離職率も高い。