最後に得する「給与制度」とはどんなものか?

もう1つは製造業など古くからの老舗企業に多く、給与水準は見劣りするが、定昇などによって時間軸で見ると段階的に上がっていく年功的賃金制度を持つ企業だ。

平均勤続年数も長く、40~50代のオジサンが自らの経験を語れるキャリアを持ち、それが競争力の源泉になっている企業だ。若いうちは給与水準が低くても社員の平均生涯賃金は新興企業よりも高い。こうした企業は隠れた給与である福利厚生も充実している。

▼市場価値のあるスキルがあれば転職に有利

一生を1つの会社で過ごしたいという人にとっては後者のタイプの会社がお勧めだが、世の中の状況でいつまでも会社が安泰とは限らない。

そのためには市場価値のあるキャリア・スキルを持っていることが必要だが、そのためにはプラスして転職に有利な業種・職種であるのかどうか、さらにキャリアアップの教育投資に熱心な会社かどうかも吟味する必要があるだろう。

いずれにしても自分の年齢や仕事に対する価値観をしっかり見据えたうえで就職先を選びたいものだ。

《「クチコミ評価」も「給与」も高い会社ベスト10》
最新号『プレジデント』(2017.6.12号)では上記のベスト20社まで掲載。また、別ページでは、▼高給なのに「クチコミ評価が残念」な会社20、▼高給与なホワイト企業ベスト20、▼給料は「ほどほど」でも働きがいのある会社20のランキングも掲載している。

*<データ出所・算出方法>社員の平均年収、従業員数は2016年3月決算時点の有価証券報告書データを使用(東京商工リサーチ提供)。クチコミ評価、月平均残業時間、有休消化率は、就職・転職のための企業リサーチサイトVorkers(www.vorkers.com)の2017年4月時点のデータを使用。上場企業のうち、データが利用可能な1763社についてデータを分析した(ランキングは、クチコミ件数10件以上の会社のみ掲載)。40歳推定年収は、平均年収と平均年齢の関係を回帰分析した結果から推定。

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