【1】スマートフォン vs ガラケー
▼ついに5割を突破「スマホ対応」は必須に
この数年で急速に普及したスマートフォン。総務省によると2015年末時点でスマホをもつ人は53.1%で、ついに5割を超えた。一方、従来型端末(ガラケー)をもつ人は35.1%で、下げ止まっている。スマホへの移行を妨げる要因とみられているのが、通信料金の高さだ。NTTドコモの場合、スマホに乗り換えるだけで年間7万円以上も携帯代が高くなることがある。安易な乗り換えには要注意だ。
ガラケーとスマホでは料金プランがまったく違う。ガラケーの場合、ドコモでは月額基本料802円(以下すべて税込)の「タイプシンプルバリュー」がある。これにEメールなどを使うためのiモード324円を足した1126円が実質的な最低料金だ。この安さはパケット通信をしなければ料金が0円になるからだ。また大量に通信しても4536円が上限となる。
一方、スマホは通信速度が速く、大量のデータ通信をともなうため、パケット料金が高額になる。最低の2GBでは3780円、標準の5GBでは5400円になる。これに月額基本料金が足される。ドコモではスマホ向けのプランは2つしかない。1つは24時間通話し放題の「カケホーダイ」で2916円、もう1つは5分以内の通話し放題という「カケホーダイライト」で1836円だ。ただし料金の安いライトでは2GBのプランは選べないので、総額では高くなってしまう。このため5GBにカケホーダイ、それに通信に必要なSPモード324円を加えた7020円が最低料金になる。
この場合、ガラケーとスマホの差額は5894円。1年間では7万円以上も負担が増えることになる。またスマホは端末代金も高い。家族4人が一斉に乗り換えるとなれば、40万円以上の負担増になることもあり得る。
携帯で一番使う機能が「通話」というならば、ガラケーのままがいいだろう。しかしほとんどの人は、メールなどのメッセージサービスを利用しているはずだ。スマホで人気のメッセージアプリ「LINE」は、ガラケーでも使うことができるが、機能が限定的で無料通話もできない。LINEは東日本大震災でのメール遅延の教訓から生まれたサービスで、災害時のやりとりにも役立つ。スマホでの利用を勧める。
子供にスマホをせがまれて、負担の重さに悩んでいるという人もいるだろう。安心してほしい。ガラケーなみの料金でスマホを利用できる「格安スマホ」という商品がある。次項で解説するので、参考にしてほしい。