これまで、どんな劣悪な経営状態の企業も立て直してきた稲盛氏の経営テクニックは、一般の家庭にも有効だった! みるみる家計がよみがえる、簡単なステップを見ていこう。

主婦が好む節約経営が家計をダメにする

稲盛氏は、「企業を永遠に発展させ続けるためにも、常に活性化され、引き締まった肉体にしなくてはならない」として、「筋肉質経営」の大切さを説いています。これは、見栄のためのムダな出費で贅肉をつけたり、短期的な視点から必要経費を削って、ガリガリになったりしてはいけないということです。

家庭を取り仕切る主婦の多くは、節約好きです。おかずを減らして食費を安く上げたり、夫の小遣いを減らしたりして、目先の細かな支出を抑えるのです。「節約のカリスマ」と呼ばれる主婦が、たった10円安いだけのトイレットペーパーを求めて遠くのスーパーに行く姿を、テレビなどで見たことがある人もいるでしょう。しかしながら、これは家族からの不満が出やすい支出の抑え方。小遣いが減れば夫のやる気は損なわれ、医療費を削れば収入を支える自分たちの体をダメにしかねません。近視眼的な節約経営は、家計を不必要にやせ細らせます。