これまで、どんな劣悪な経営状態の企業も立て直してきた稲盛氏の経営テクニックは、一般の家庭にも有効だった! みるみる家計がよみがえる、簡単なステップを見ていこう。

高額支出は要相談、ムダな出費に抑止力を

稲盛氏の経営論の中で、もっとも大切にされているといってもいいのが「ガラス張り経営の原則」。これは、経営者と従業員が強い信頼関係で結ばれた「心をベースにした経営」を行うため、経営に関する数字を従業員にも包み隠さず伝えるというものです。

簡単なことのようですが、多くの会社には「社員に見られると都合の悪い数字」があるものです。経営者の公私混同がありがちな中小企業には、社員にまったく数字を公開しない会社もあるでしょう。それは家庭とて同じこと。夫は飲み代を知られたくありませんし、妻は高価な化粧品の値段を知られたくないものです。

特に共働き家庭で「決められた生活費を出し合い、その他は別会計」という場合、妻・夫の貯金どころか年収すら把握していないカップルもいます。「自分で稼いだお金をどう使おうと自由じゃないか」と思う気持ちはわかりますが、夫が稼ぐお金も妻が稼ぐお金も、広い意味では「○○家」というひとつの会社の資産です。まずは「別の財布だ」という考え方を捨てましょう。実際に私のもとに来た相談者の中には、「家を買おうと思ったら、パートナーにまったく貯金がなかった」というケースもありました。「うまくやってくれているだろう」と楽観視していると、とんでもない目に遭います。

そこで、今後は共働き家庭でも「ダブルチェック」を実践していきましょう。たとえば、「5万円以上の買い物をするときは話し合う」など、大きな支出に関してだけでも、「2人の合意のうえで決める」というルールにしてしまうのです。すべての収入と支出を明らかにはできなくても、この程度であれば難しいことではないはずです。「5万円」と言いましたが、話し合いの金額は3万円、1万円と小さければ小さいほど効果があります。「パートナーに反対されるかもしれない」という気持ちが、ムダな支出の抑止力になるのです。

余談ですが、別会計の夫婦より、会計を同じくする夫婦のほうが離婚率が低いそうです。夫婦円満のためにも、パートナーの収入と支出を把握することをお勧めします。