民意を適切に反映する理想の選挙制度とは?

米大統領選史上、得票数で上回った候補が負けたケースは初めてではなく、過去に4回あった。民意を適切に反映するために、選挙制度を変える動きはなかったのか。

「全州の合計で得票数が多い候補の勝者総取りにするとか、いまネブラスカ州とメイン州で行われているように、下院議員数に該当する選挙人は下院議員の選挙区ごとに決めるという代替案が出ています。いずれも既存の制度で利益を得てきた人たちに阻まれて進んでいません」

選挙結果はもう覆しようがないが、気になるのは、選挙後もリベラル派による反トランプの動きがおさまらないことだ。アメリカに限らず二大政党の国では国論が二分されがちだが、選挙のたびに国民が分断されてはたまらない。民意が割れたら割れたで、それを適切に反映する選挙制度はないのか。

「民意を反映しやすい選挙制度として比例代表制が知られています。ただ、比例代表は利益集団ごとに政党ができて収拾がつかなくなる。民意の反映と、政治のわかりやすさはトレードオフ。どちらを選ぶのかは国民しだいです」

(図版作成=大橋昭一)
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