長島氏がさらに問題にするのは、自衛隊の装備だ。

「南スーダンにはアメリカの陸軍並みのキットを持っていったというが、問題はひとりひとりがその使用法に習熟しているかどうかだ。いざという時に使えなければ、いくら素晴らしい装備でも役に立たない」

戦闘の激しい南スーダンでは、各勢力ともに軍備を整えている。負傷すれば傷は深く、命にもかかわりかねない。

このような高エネルギー外傷の場合、負傷してから手術や止血などの処置を行うまでの時間が鍵となり、最初の1時間は「ゴールデンアワー」と呼ばれている。さらに適切な処置を判断する時間は「プラチナタイム」と呼ばれ、10分以内とされている。その間にいかに効率よく処置にあたることができるのか、それが生死を分けるのだ。

「しかしながら、日本の自衛隊は救急救命体制がぜい弱だ。そこで自由党とともに『第一線救急救命措置体制の整備に関する法案』を作成し、衆院に提出した」(長島氏)

同法案は、自衛隊の行動に従事して重度傷病者になった自衛官が医療施設に搬送されるまで、症状の著しい悪化を防止し、生命の危険を回避するために緊急に必要な体制を整えることを目的とする。そのために国が責任を持って立法措置を行い、予算を付けることを義務付けるものだ。

「その発想は、命とともに手足や目を守ることだ。もはやLLE(Life=命、Lim=手足、Eye=目)は世界の常識になりつつある。自衛隊員の人生は、帰還した後も長く続く。負傷によってその人生が大きく変わってしまってはいけない。稲田大臣は19日に開かれた駆け付け警護に向かう自衛隊の壮行会で、『全ての責任は私にある』と述べたが、失った命を蘇らせることができるのか。吹っ飛んだ足を元に戻すことができるのか」

日本政府に突き付けられた言葉は、この上なく重い。