自分の中の「妬み」を認めねば富裕層は遠い

蓄財のプロセスで重要なのは、たとえ自分に妬みの感情が生じても、その妬みの感情が存在していることをあえて認識して(覆い隠さず)、「みっともなく生きること」(競い合いによる浪費を防いで質素に生きる)によって種銭を作ることです。

妬みの感情こそが、自分自身が感情に任せ消費によって周囲と張り合ってしまう原因になることを十分に認識し、質素倹約を貫き通すのです。

そのためにも種銭を作る段階では、なるべく周囲に高所得者が多いブランドエリアではなく、低収入の街を選び生活をダウングレードすることをおすすめします。ブランドエリアに住み続けながら必死に種銭を作ろうとすると、自分が惨めな思いをするなど不快感を感じやすい。その不快感を軽減するためにも低収入エリアを選んで住むことがベターなのです。

そうやって無理せずにトップランクの位置財(周囲との比較によって満足を得るもの)が入手できるような環境(周囲が自分より低収入の街)に暮らすことで、相対所得のメリットを享受しやすくなります。4つの財布(事業収入、不動産収入、給与 収入、配当収入)が揃って節税を兼ねた消費ができるようになった段階であれば、なおさらです。

資産形成において、生物の本能として自然に湧き上がって来る嫉妬の感情と社会的適応の間に折り合いをつけることは極めて重要なポイントなのです。なぜなら、たいていの人は、ここでつまずいて、「富裕層手前」で力尽きているのですから。

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