東京は15年間で孤独死の発生件数が5倍!
単身のアパート暮らしの高齢者が増えていますが、大家さんにとって最も怖いのは「孤独死」です。発見が遅れると死体の腐敗が進み、部屋が汚れます。夏場はもう、目も当てられないような惨状になるそうです。
そこで、入居している高齢者が孤独死した際、特殊清掃や遺品整理などの費用が下りる、家主向けの保険が拡大しているそうです。家族の絆が希薄化している現在にあっては、需要はあるでしょう。
社会問題になっている孤独死ですが、数でみてどれくらい起きているのでしょう。正確な統計はありませんが、当局の死因統計から、その近似値(相似値)を知ることはできます。
「立会人のいない死亡」という死因カテゴリーの死亡者数です。死亡時に立会人がおらず、死因が特定できない者です。厚労省『人口動態統計』によると、このカテゴリーの死亡者は2014年では2251人となっています。前世紀末の1999年では665人でした。増えていますね。
図1は、人口100万人あたりの数の推移です。全国と大都市・東京のカーブを描いています。
凹凸はありますが、今世紀以降、孤独死の発生率は上昇の傾向にあります。
「孤族化」という社会変化が可視化されているようで、ちょっと悪寒を覚えます。東京ではそれが顕著で、この15年間で孤独死の発生率は5倍近くに増えています。大都市では、人間関係が希薄なためでしょう。