23区の平均年収と孤独死出現率の関連は?

それが何かを突き止めるのは難しいですが、試みに、住民の経済力との関連をみてみましょう。2013年の総務省『住宅土地統計』から23区の平均世帯年収を計算し、2014年の孤独死出現率(図2の右側)との相関をとってみました。図3をご覧ください。

例外はありますが、平均世帯年収が低い区ほど、孤独死の出現率が高い傾向にあります。いわゆる負の相関です。相関係数は-0.6876であり、統計的に有意と判定されます。都内23区のデータですが、貧困と孤独死の相関のマクロ表現といってよいでしょう。

言わずもがなですが、相関と因果は違います。

「貧困→餓死」ならまだしも、「貧困→孤独死」というダイレクトな因果経路は想定しにくい。しかし、自分のみじめな状況を親族や知人に見られたくない。それで他者との関係を一切断ち切って引きこもってしまう、という面はあるかと思います。常識的に考えられることですが、真因は、社会関係資本(人付き合い)の量でしょうね。