嫉妬心のネガティブとポジティブ

他人の成功や幸せに直面にすると、僕たちは「嫉妬」という複雑な感情を抱きます。この感情は、専門分野では「社会的比較ジェラシー」と呼ばれていて、学校の成績や出世の順番など、相手との「社会的な比較」のなかで生まれるようです。

強い「ジェラシー」が生じると、多くの人はそれを「ウザい……。こいつ死ねばいいのに」などといったマイナスのネガティブな感情に変えてしまいます(下方比較)。しかし、一部のポジティブな人は「スゴいな。自分も頑張ろう!」といったプラスの感情に変えることができ(上方比較)、複雑な競争社会の中でも良好な人間関係を築いていけるというのです。

この、嫉妬心のネガティブとポジティブの境目はなんなのでしょうか。

ある研究によると、この「社会的比較ジェラシー」なるものは誰に対しても生じるわけではなく、自分が関心を寄せる分野で、自分と類似性の高い身近な他者が少しだけ優位な場合に最も経験するものだといいます。

「類似性の高い身近な他者」が“少しだけ優位な場合”というのがポイントで、例えば、全国的に活躍するぶっちぎりにすごい成功者などに対してはあまり嫉妬心が起きません。一方で、自分と同じ会社の身近な同僚のちょっとした仕事の成功には、はげしく嫉妬してしまうということです。

これは、なんとも面倒くさい話です。