瞑想に「成果」を求めるビジネスマン

いま、ビジネスマンの間で瞑想が一層人気のようです。僕も7年ほど前から、研究活動の一環としていくつかの流派・スタイルの座禅や瞑想を体験してきました。座禅や瞑想によって、よく「無になる」などと言いますが、この「無になる」ということばが少し一人歩きしているようです。

最近では街中の寺院での座禅体験会などに参加するビジネスマンも増えていて、必ずと言っていいほど住職さんにこんな質問する人がいます。「座っているといろいろと雑念が出てきて、集中できません。どうすれば『無』になれるんでしょうか」。

すると住職さんはこんな感じで答えます。「それでいいんですよ。『明日の仕事は大丈夫かな』とか、『うまく集中できないな』など、雑念が出てきたなら雑念を感じてください」。

質問した人は、たいてい「え?」という顔をします。

ビジネスマンの多くは、座禅や瞑想にも「成果」を求めようとします。思考がクリアになったり、気持ちがリセットされたりするようなことを「期待」して、そのためのハウツーを求めがちです。