昭和シェル石油との合併は是ではなくて否である
――第三者割り当て増資など創業家の持ち株比率を引き下げる手段に会社が出た場合はどうしますか。
【浜田】私たちはそのようなことはないと思っています。昭和シェル石油の株式を購入するための1691億円の融資も銀行団は快く応じていますし、1000億円は劣後ローンです。劣後ローン(破たんなどしたときに一般債権よりも支払い順位が劣る債権)というのは信頼の中でしか生まれない融資形態です。わざわざ増資しなければならない理由はありません。合併承認の反対を阻止するだめだけの増資はさすがにやらないと思います。
――出光興産の役員たちにはどのようなことを期待しているのでしょうか。
【浜田】向こうの出方を見ています。15年12月17日に意見書を出した後、翌年の1月29日に最初お会いしたときには、向こうには「条件の話ではありませんと伝えてあります」と私から最後に申し上げました。「ロゴマークをどうするか」「役員をどうするか」という条件の話ではないのです。合併そのものが経営判断として適切なものではない。それを大株主という立場で心配して申し上げているわけで、昭和シェル石油との合併は是ではなくて否である、ということなのです。それを会社に申し入れたわけです。
――正しい経営判断のできる役員に交代してもらうという気持ちはあるのですか。
【浜田】それは白紙です。白紙という意味は、今の段階で答えを出していないということです。ボールは向こうにあるのですから。