大塚家具が過去最悪の営業赤字に沈む理由
大塚家具がここにきて危機に直面している。8月5日に発表された2016年12月の中間決算では売上高は前期比20%減の240億円、営業利益は20億円の赤字に転落、通期でも前期比17%減の483億円、営業利益は38億円の赤字に転落する見通しとなっている。
「入店しやすいようにオープン化して以降、オープン化の効果の出やすい新宿や銀座などの商業地にある路面店は来客数が増加していますが、そもそもオープン化の効果の出にくい目的買いが主となる郊外立地の大型店舗は来店客数も減少している」
大塚久美子社長はこう語る。
家具業界はこれまでにも何度となく厳しい局面を迎えている。1985年ごろを境に店舗数が減り、年間の販売額も減少した。そのような中で大塚家具は集客力を強化するために会員制を導入し、メーカーの反対の中で価格破壊を行い低価格販売を実現、いったんは難局を乗り切った。しかし新設住宅着工の減少などで業界全体の縮小はその後も続き、08年から09年にかけてはリーマンショックなどの影響で大塚家具の経営も大きく揺らいだ。
「私たちは1993年に会員制を入れたときも直前の移行期間は大規模な店舗のスクラップ&ビルドを行ったので赤字がでました。08年から09年にかけても赤字がでて、スクラップ&ビルドを行って、そのあとは経営体制などが変わり、経営改革が長くかかってしまっていますが、改革をきっちりやるためにはそれなりに屈む時期が必要です」(大塚久美子社長)
果たして今回の赤字転落は大塚家具の経営改革にどう影響を与えるのか、大塚久美子社長に話を聞いた。