株主対策で倍にした配当は今後も維持
――赤字決算の中で株主配当をどう考えていますか。
これは維持していきたいと思います。09年も営業赤字でしたが中長期的な視点から配当しましたが、今期もそういう形になります。幸い剰余金も高く積みあがっていますから今後のROEのことを考えても、維持します。来期も中期計画に盛り込まれていますからやっていきたいとは思っていますが、株主総会の決議事項ですから、確定的なことではないといっておきます。
――店舗販売、法人、リユースの売上比率はどう考えていますか。
法人提携販売などは店舗売り上げの10~20%、「東京ガーデンテラス紀尾井町」のようなホテルや企業などの大口のコントラクト事業は年間で20億円ぐらいなので数パーセントですが、ホテルの建設ラッシュが続きますから今後はこうしたビジネスは伸びていくと思います。大阪には新しく大阪コントラクト営業部を立ち上げ東京と2拠点で営業しています。
リユースについては下取りがかなり進んできています。商品的にはソファーやダイニングセットなど。買い替えたいというニーズがあるのですが、持っているものが捨てられない。そんな潜在的な需要はけっこうあるのです。09年の家具類のリユース市場規模は416億円、2012年は515億円、2018年には789億円の規模に拡大するとの予測があります。上手に告知していけば下取りしてほしいという人はもっともっとでてくると思います。しかし修理をする拠点は東京にしかないので、東京中心にアウトレット、あるいはものによっては通常店で販売しているのですが、7月にリユースの修理の拠点を大阪にもつくりましたから、この秋にアウトレットとリユースの販売拠点を大阪に出店することにしました。さらに来年以降、下取りや買い取りを増やせるかにかかっていますが、リユースの専門店を出していきたいと思っています。またリユースがきちんとできるようになると、リースやレンタルもできるようになります。すでに法人向けのレンタルを始めています。個人向けレンタルも準備しているところです。
――企業経営では社長の考えが社員にきちんと伝わることが重要だと思うのですが、そこでの取り組みは。
きちんとメッセージを出して、少なくとも年に2回は各拠点を回って対話を持つよう心がけています。今年も6月に各店を回っています。大事なのは私がやるだけではなく全幹部がそのメッセージを伝えられることだと思うのですが、そこの部分も力を入れて研修や店舗での指導なども大事にしています。