実家の片づけで気を付けることは何か。片づけアドバイザーの石阪京子さんは「モノの片づけが済んだら、次は紙の片づけに取り掛かってほしい。財産に関わる重要な紙はきちんと仕分けして収納したほうがいい」という――。
※本稿は、石阪京子『実家片づけ』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
難度の高い「紙片づけ」こそが本丸
実家片づけのゴールは「モノの片づけ」と「紙の片づけ」を両方終えること。特に、後々のお金に関するトラブルや悲劇は往々にして「金目の紙」=財産にかかわる書類が整理されていなかったことによって起こります。
「モノ」は多少散らかっていても後でどうにかなりますが、紙はご両親が認知症になったり亡くなったりしてからではどうにもならない。だからこそ、「紙片づけ」は、子どもにとっての本丸なのです。
とはいえ、「紙片づけ」はモノよりも難度が高いといっていいでしょう。
手紙、税金の書類、契約書、チラシなど。見た目はどれも同じ紙なので、パッと見ただけでは捨てていいのか、とっておくべきなのか判断するのが難しいからです。
紙は布団1枚捨てるより難しい
実は、布団1枚捨てるより、紙を1枚捨てるほうが難しいです。見た目や好き嫌い、使用頻度などで要・不要を判断できないからです。
そのため、「とりあえずとっておこう」となり、大事な紙と、そうでない紙が入り交じっているご家庭がたくさんあります。特に、高齢の方はご自身の記憶力に自信がないため、「とりあえずとっておこう」の傾向が強くなりがち。
ところが、とりあえずレターケースに入れたり、吊り下げ収納につっこんだり、押し入れの隙間に入れたりしただけで管理ができていないから、肝心なときに大事な紙が出てきません。
中でも、財産にかかわる紙はお金そのもの。家のどこかにあるのにいざというとき取り出せず、大損をすることがないよう、仕組みを作りましょう。