高齢の親が暮らす実家を片付ける際、どこから手を付ければいいのか。片づけアドバイザーの石阪京子さんは「どこから手を付けたらいいか迷うときは、あの場所から片づけを始めるといい。『省略と代用の考え方』を学べる最適な場所だ」という――。
※本稿は、石阪京子『実家片づけ』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
まずは「仕分け置き場」を作るところから
片づけをするときは、スペースが必要になります。「いる」「いらない」「保留」など、ざっくりし分けて、それらをいったんどこかに置いておく必要があるからです。そのためのスペースを本書では「仕分け置き場」と命名します。大きさは、モノの多さにもよりますが、まずは4畳半の部屋1室分くらいあればよいでしょう。
もし、使っていない片づいた個室などがあればそこを「仕分け置き場」とします。
物置部屋が「仕分け置き場」には最適
どこもかしこもパンパンな部屋しかないという場合は、まず「物置部屋状態」になっている部屋を空けて「仕分け置き場」を作ることから始めなければなりません。
「え? 物置部屋だから一番モノが多いんですけど?」と思われたかもしれません。たしかに満杯だとは思いますが、実はそこが家の中で一番スペースを作りやすい場所なのです。なぜなら、物置部屋は「一番心を使わない場所」だから。
古い家電や五月人形、使っていないアイロン台、古い布団、色褪せた布、昔の雑誌などが雑多に放り込まれているはず。そこには必ず「それはもういらない」といえるモノが交じっています。そういう、しまったまま存在を忘れているモノはどんどんさよならできます。それをゴミの一時置き場へ移動させてスペースを作っていきます。必要なモノや確認がいるモノは「いる」「保留」と書いた袋に入れて置いておきます。
物置部屋になっているのは、「元子ども部屋」であることも多いので、古い自分のモノなども出てくると思いますが、それはご自身で持ち帰るか捨てるか、判断しましょう。
「仕分け置き場」が確保できたら、生活の場を片付けていきます。