まずは「金目の紙」を1カ所に集める

今まで「金目の紙=財産にかかわる書類」と書いてきましたが、例えばどういう紙なの? と思われる方も多いかもしれません。古い雑誌や年賀状、写真などが「金目の紙」でないことは明白だと思います。

「金目の紙」というのは、生命保険の証書や通帳など、それがあることでお金に換わったり、資産を把握したりするのに役立つ紙のこと。まずはそれらを1カ所に集めます。金庫に入れている場合も「金庫にあるから大丈夫」ではなく、中身を確認するために集めてください。なお、紙は薄くて軽いので、床に平積みすると誤って紛失する恐れがあります。紙袋や段ボールなどの「枠」の中にまとめて入れていきましょう。

テーブルにあふれる封筒
写真=iStock.com/PamSchodt
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「金目の紙」そうに見えてそうではない紙もある

ただ、金目の紙を集めてくるときにやりがちなのが「一見、金目の紙だけど実は違う紙」も紛れてしまうこと。

例えば、銀行や保険会社などから届いた「重要」と書かれた封書。これは一見「金目の紙」のようですが、中を読んでみれば「資産形成セミナーのご案内」や「新・○○保険のお知らせ」など、ただのお知らせであることがよくあります。この紙があることで、お金が手に入ったり、資産を把握する役に立ったりするわけではないですよね。ということは、これは金目の紙ではありません。

他にも、昔勤めていた会社の給料明細や、クレジットカードの明細、支払い済みの請求書なども金目の紙だと勘違いしがちですが、これらは全て「過去のお金の流れの情報」です。未来に直接影響を与えるわけではないので、金目の紙ではありません(ただし確定申告をしている場合は期間内のものはお金に換わる紙なので「金目の紙」となります)。

また、直接お金に換わる紙ではないけれども、それを見ることで、親の資産や収入などが推定できる紙もあります。