プルデンシャル生命のカリスマセールスマンとして大活躍していた最中の一昨年に、42歳の若さで急逝した甲州賢(こうしゅうまさる)氏。

彼の遺したセールス哲学をまとめ、5月に小社より発行した『プロフェッショナルセールスマン「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』(以下・本書)が、早くも話題になっている。

その驚くべき顧客志向とはどんなものなのか? 本書内では未公開のネタも含め、甲州氏の言葉の数々を著者自ら紹介していく。

「はい、甲州です。×時まで商談のため電話に出られません」

<strong>甲州 賢</strong>●JTB、リクルートで活躍したのち、プルデンシャル生命のライフプランナーとなり、生命保険のフルコミッションセールスの道を歩み出す。在籍した約11年で3080件の契約を重ね、2年連続チャンピオン(営業職約3000名の第1位)の栄冠に輝く。そのいっぽうで、後輩たちの育成にも尽力していた。写真はチャンピオン表彰式でのスピーチ。
甲州 賢●JTB、リクルートで活躍したのち、プルデンシャル生命のライフプランナーとなり、生命保険のフルコミッションセールスの道を歩み出す。在籍した約11年で3080件の契約を重ね、2年連続チャンピオン(営業職約3000名の第1位)の栄冠に輝く。そのいっぽうで、後輩たちの育成にも尽力していた。写真はチャンピオン表彰式でのスピーチ。

甲州氏は、会社の後輩からの折り返し電話が遅いと、次のように叱った。

「2時間もなにやってたんだ。これ、法人だったらアウトだぞ。社長さんたちがどれだけ忙しいか、わかってるのか!」

顧客をやきもきさせながら待たせるなど、あってはならない。そんな甲州氏の留守電メッセージは誰をも驚かせた。

「はい、甲州です。お電話ありがとうございます。×時まで商談中のため、電話に出られません。×時にこちらから、おかけ直しいたします」

そして、×時きっかりに電話がかかってくる。甲州氏は、1日に何度も、アポイントのたびに、携帯電話の留守番メッセージを更新していたのである。

時間への厳しさは、次のような言動にも表れている。

「電車が止まっても、道路が渋滞しても、遅れてはならない」