ガリバーのウルトラ集客は、2013年秋にスタート。2014年6月現在で通算5回の実績を重ねている。

ガリバーのキャンペーンは1回につき2週間。毎回、1000人以上がクーポン情報をスマートフォンで取得し、全国のガリバー店舗に来店した。来店するだけで1000円分のクオカードがもらえるクーポンだが、客の反応を見ながら来店者特典内容をヤフーポイントやTポイント、旅行券などに替えていく予定だ。「1回きりのにぎやかし」でないからこそ可能なのだ。


Webを通じた「ウルトラ集客」で来店した客にはクオカードやヤフーポイントを付与。大型店、「WOW!TOWN」(写真上)ではiPadを使った顧客案内システムも稼働している(写真下)。

「自動車のような高額商品を1回のご来店で成約していただけるとは思っていません。まずは店舗や展示場に来ていただくのがゴールです。定期的にO2Oを実施することで、望みを把握しながらユーザーを育成していきたいと思っています」

ソフトバンクと組んで効果を挙げたこの取り組みはガリバー社内でも評価され、2014年の後半はさらに頻度を上げて実施した。

余談になるが、筆者の知人がソフトバンクに中途入社したときに「人間の動物園のようだ」と嘆声を上げていたことを思い出す。学歴も職歴も年齢も多様だけれど、野性味が溢れた人材が集まって異様な活気があるという意味だ。

この知人の感想は青木の証言とも一致する。自らをポコパンに例えるような冗談は、統制が厳しくて暗い会社の現場からは生まれない。ソフトバンクは、個性を重視する自由闊達な社風なのだろう。一方で、「業界基準をつくる」という壮大な目標は社長以下の社員が共有している。間口は広いが目指す出口は唯一無二の最高峰なのだ。

(文中敬称略)

(永井 浩=撮影 ガリバーインターナショナル=写真提供)
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