普通のビジネスパーソンでも工夫次第で定年までに資産1億円を達成できる。家計再生のプロが提案するロードマップを元に今から始めよう――。

現状把握と黒字化が1億円家計簿への道

「定年までに1億円貯める」というと、途方もないことだと感じる人もいるだろう。だが、夫婦でゆとりある老後を過ごしたいなら、そのくらいを目標にして資産形成に励むのをお勧めしたい。資産1億円という数字の内訳は、「現金(退職金)」と「不動産」、そして「運用益」となる。実は、多少頑張ればごく普通のビジネスパーソンでも決して無理な数字ではないのだ。

資産形成に必要なのは「節約」と「運用」の2つになる。そして、この2つを実行する大前提となるのが、家計の現状を正しく把握すること。一流家計簿は、それができているのだ。

逆に、お金が貯まらないと嘆く多くの人は、現状を把握できていない。まずは家計簿をつけ、収支を具体的な数字で見てみよう。もし毎月の収支が赤字なら、3カ月以内に黒字に転換できる方法を考えたい。

節約については、ほんのちょっとした家計の見直しが、長い目で見れば大きな違いを生む。一流家計簿は、どれか1つの費目だけを極端に減らそうとはしていない。「光熱費を1割でも減らす」といった小さな削減を、複数の費目で同時に実践しているのだ。