しかし今、支払調書の作成・提出に関し、さらなる大きな面倒が立ちはだかる。「マイナンバー」だ。「支払者」と「支払いを受ける者」の双方のマイナンバーを記載することになるので、先に挙げた証拠能力はグンとアップする。その点は歓迎できるのだが、はたして、大家や弁護士、作家の大先生に対してマイナンバーを教えてもらい、身元確認をするなどということが現実にできるか。人知れず夜の仕事や副業をしたい人々が、すんなりと教えてくれるか。なんとか教えてもらえたとしても、適切に管理できるか。不安は尽きない。

支払調書の場合、2017年1月提出分からマイナンバーを記載しなければならない。つまり16年1月の支払い分からマイナンバーを取得し始める必要がありそうだ。まさに「待ったなし」の状況にも見える。

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支払う相手からのマイナンバー取得は待ったなし!?

「慌てる必要はありません。今はまだ、マイナンバーの運用方法が頻繁に変更され、法整備も追いついていません。しばらくは周囲の状況を冷静に観察する余裕を持ったほうがいいでしょう。無理にマイナンバーを取得しようとして、大切なビジネスパートナーを失っては元も子もありません。たとえマイナンバーを取得できない相手がいても、経緯を説明できれば税務署が支払調書を受け取らないことはありませんから」

 
税理士 岩松正記
著書に『フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』『経営のやってはいけない!』などがあり、“ぶっちゃけ税理士”と呼ばれることもある。