稲盛和夫がトップに就任して丸3年(2013年時点)がたった。今や世界有数の利益率を誇るJALとはいえ、意識改革が始まった「最初の半年間」は連日、稲盛の叱責が飛んだという。なぜ怒られたのか。役員と各部門の代表者が振り返る。
≪取材に協力いただいた皆さん≫
・専務……大田嘉仁さん(京セラ出身) 社長補佐(意識改革担当)
・常務(1)……乘田俊明さん 常務・総務本部長
・広報……門間鉄也さん 広報部長メディアグループ長
・CA(1)……西原口香織さん チーフキャビンアテンダント
・販売……岸部雄二さん 旅客販売統括本部企画グループ アシスタントマネジャー
・整備(1)……佐藤信博さん 専務・整備本部長、JALエンジニアリング社長
・経理……榎原伸一さん 経理部長
・常務(2)……菊山英樹さん 路線統括本部国内路線事業本部長
・整備(2)……鈴木秀勝さん JALエンジニアリング 人財開発部整備訓練グループ長
・専務……大田嘉仁さん(京セラ出身) 社長補佐(意識改革担当)
・常務(1)……乘田俊明さん 常務・総務本部長
・広報……門間鉄也さん 広報部長メディアグループ長
・CA(1)……西原口香織さん チーフキャビンアテンダント
・販売……岸部雄二さん 旅客販売統括本部企画グループ アシスタントマネジャー
・整備(1)……佐藤信博さん 専務・整備本部長、JALエンジニアリング社長
・経理……榎原伸一さん 経理部長
・常務(2)……菊山英樹さん 路線統括本部国内路線事業本部長
・整備(2)……鈴木秀勝さん JALエンジニアリング 人財開発部整備訓練グループ長
安っぽい美談にしてはいけない――。
いくらメディアが「JAL奇跡の再生!」「営業利益1860億円!(3月期の連結業績見通し)」とはやし立てても、原点を忘れてはいけない。今回の取材でJAL社員の多くがそう語った。
原点とは、「JALは潰れた」ということだ。40万人以上の株主に損害を与え、銀行には大借金を棒引きしてもらった。毀損せず全額返還したとはいえ企業再生支援機構からは3500億円出資(もとは税金)してもらった。そうした処遇は普通の企業の倒産ではありえない。加えてグループ社員も全体で4万8000名から約1万6000名が職場を去った。「V字回復で再上場」と浮かれられるはずがないのだ。