「ようやく山を越えたというところだ」

申年は変革の年といわれるが、年初から株価が大暴落するなど波乱含みの年になることを暗示している。

経済3団体が主催する新年賀詞交換会。

今年も新年賀詞交歓会が行われた。中でも日本経団連、日本商工会議所、経済同友会の賀詞交歓会は日本を代表する企業経営者が一堂に会する新年会としてメディアの大きな注目を集める。財界人たちが何を考えているか、1年間の景気をうらなうバロメーターになるからだ。

今年の経済3団体による賀詞交歓会と同日行われた自動車工業団体の新春賀詞交歓会に参会した経営者たちに話を聞いた。

オリックスのシニア・チェアマンを務める宮内義彦氏は「世界経済のうねりが変わってきた時代」だと語る。

「新興国から先進国に主役がひょっとしたら移り変わりつつある、そんな初年度が今年ではないかと思っています。そして先進国の中でも米国、その一人勝ちになるのか、米国アンドジャパンになるのか」

日産自動車取締役副会長の志賀俊之氏は「波乱含みの年」だという。

「今年はグローバルにいうと、波乱の年。その中で日本がどのようにプレゼンスを維持するか、それを問われている年。そのためには経営者は自信を持たなければならないと思います。年明けから株価が下がるぞ、イランイラクの対立だといったいろいろな波乱含みの話があるではないですか。それにたじろいだり、心配したりすると、萎縮して積極的な投資ができない。そんなことには関係なく、日本に自信をもって成長につなげていくことが大事な年だと思います」

トヨタ自動車社長の豊田章男氏は「ようやく山を越えたというところだ」と語る。