「もう記憶力が衰えて……」「忙しくて時間が……」オジサンが英語を学ぶには、たくさんの苦悩がつきものだ。悩みの淵から救うべく賢者による相談室を緊急開設！
回答者：村上憲郎　31歳から英語を始めた元グーグル社長
米グーグル副社長兼日本法人社長、日本法人名誉会長を経て、2011年より現職。31歳から自力で英語を身に付け、グーグルのトップに立った経験を生かし、実際的なアドバイスを与える。
 
【Q】ビジネスマンに英語は不可欠と言われても、他人事に感じて必死になれない

【A】厳しいようですが、英語ができない人は、10年後、間違いなく路頭に迷います。「仕事がなくなって飢え死にする」とまでは言わないけれど、まともな仕事には就けません。拾ってくれるのはブラック企業だけ。外資でない日本企業だって、すでに使えない日本人より優秀な外国人を採るようになっています。

たとえば最終面接に30人残り、そのうち日本人は10人、韓国の人が10人、中国を含めた東南アジアの人が10人だとしましょう。面接で、日本人は立派な日本語を話す。東南アジアの人はたどたどしい日本語と、たどたどしい英語を話す。韓国人はたどたどしい日本語と、ほぼ完璧な英語を話す。この中で誰が採用されますか、という話です。勉強するか、地獄に堕ちるか、選ぶのはあなたです。

さあ、ここまで言ったら、お尻に火が点きましたか？

【Q】40代から始めても、ビジネスで使えるレベルまでいけるか

【A】拙著『村上式シンプル英語勉強法』では、「英語を勉強するのに遅すぎることなんかない！」と書きましたが、実はあれはウソです。本当のことを書くと本が売れなくなると出版社に言われたもので（笑）。というのは冗談としても、やはり英語の勉強を始めるのは、早ければ早いほどいい。私は31歳で始めて、いまだにリスニングが苦手です。なぜなら本格的に英語の音に触れるようになった年齢が30を過ぎていたため、聞こえる音域が狭いのです。英語は日本語より周波数が高音域なので、私の耳には、特に子音が聞こえづらい。今さら耳をかっぽじったって無理です。