――保険は特約などが複雑で、見直すにしても、どうすればいいのか、よくわからないんです。
世の中には、保険以外にも、複雑すぎて理解できないものが、山のようにありますよね。そんなときは、詳しい人に聞くのが一番です。
――「保険に詳しい人」ですか。僕の知り合いにはいないな……。
では、独立系のFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのがいいと思います。
――FPは知っていますよ。個人のお金の相談を受ける資格のことですよね。でも「独立系」じゃなければダメなんですか?
保険会社や銀行の職員にもFPの資格を持っている人はいますが、こういう人たちは“売る側の人”です。どうしても属する会社の方針に少なからず影響されてしまいます。
独立系のFPに相談料を払って、ニュートラルな立場でアドバイスをもらうといいと思います。
――お金を取られるんですよね、やっぱり。
でも、適正な料金を払い、プロにいいアドバイスをもらって家計の見直しができれば、安いものです。
――独立系のFPはどうやって探せばいいんですか?
「独立系 FP」でネット検索してみてください。住所が近い人のHPやブログを見て、連絡をしてみたらどうでしょう。
相性もありますから、そこはある程度、試行錯誤するしかないと思いますよ。
――独立系ならば安心なんですか?
3つ条件があります。1つ目は、そのFPが「保険代理店になっておらず、保険会社から協賛金などももらっていない」ということ。これは、保険会社の都合に影響されず、あなたに合った保険を選んでもらうために必要なことです。
――協賛金をもらっているかどうかは、聞かないとわからないですね。
2番目は、ブログやHPを持って発信している人。保険に対してどのような考え方を持っているか、事前に確認することができます。
3番目は、できれば5年程度以上の経験がある人が望ましいです。
――1時間で5000円ほど、相談料がかかるようですけど、それだけのお金を払うメリットはあるんでしょうか?
保険を見直して、年間10万円保険料が安くなった人はたくさんいます。ということは、10年間で100万円ですよね。
いいFPに巡り合えたら、保険相談だけではなくて、住宅ローンを組むときとか、退職金が入ったときとか、一生のお付き合いができますよ。
Answer:独立系のFPにお金を払って聞くのが一番です
出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長兼CEO
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。
ライフネット生命保険会長兼CEO
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。
(構成=八村晃代 撮影=市来朋久)