【田原】早く実用化できるといいですね。実証実験は進んでいますか。

【鯉渕】いま実験をやる場所をさまざまな自治体や新聞社の方とお話ししているところです。先日、国家戦略特区のシンポジウムに参加させていただいたのですが、ドローンの話をすると、特区の市長さんたちの反応は上々でした。地方は過疎化や高齢化に危機感を持っていて、新しい取り組みにも前向きです。特区などを活用しながら、新聞販売店や地域住民の方の協力をもらい進めていきたいと思っています。

【田原】わかりました。実験成功のニュース、楽しみにしています。

田原さんへの質問:ビジネスで行政を巻き込むには?

【田原】官僚も社会をよくしたいという問題意識を持っている。しかし、具体的なアイデアに乏しい。地方創生担当大臣の石破茂は、「地方活性化の基本は少子化対策にあるが、少子化を解消するアイデアを集めるのに苦労している」と言っていた。

官僚にアイデアがないなら、民間から提案していけばいい。病児保育をやっているNPO法人フローレンスの駒崎弘樹は「民間のアイデアを官にパクらせればいい」と言って規制緩和を実現した。待つのではなく、自分から具体策を提供するのだ。ちなみにアイデアに乏しいのは政治家も同じ。彼らにアプローチして、いい意味で利用するくらいのしたたかさが必要だろう。

遺言:アイデアを「官」にパクらせよ

田原総一朗
1934年滋賀県生まれ。県立彦根東高校卒。早稲田大学文学部を卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経てフリーに。幅広いメディアで評論活動を展開。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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