ドローンが過疎地の物流を担う時代に

【田原】もう一度、ドローンについて聞かせてください。このドローン、1台いくらですか。

【鯉渕】日本製で約120万円です。

新潟日報/NIC越路ミヤコ新聞販売センター(長岡市)にて。

【田原】これを鯉渕さんのところが買って、新聞配達店にレンタルする?

【鯉渕】いや、販売店の方に買っていただく想定をしています。

【田原】でも、「まごころサポート」は30分500円でしょ。採算が取れないんじゃないですか。いまこれを飛ばすと1回につきどれくらいコストがかかりますか。

【鯉渕】現状だと1回で1万円は超えてしまいます。でも、料金は1回500円に抑えたいですね。このくらいの価格でないと、お買い物サポートを必要としている年金暮らしの高齢者の方は利用しづらいですから。

【田原】そうすると、コストのほうを下げなきゃいけませんね。

【鯉渕】機体は数年でいまより安くなると考えています。あとは、付加価値の高いものを運べるかどうか。たとえばレストランで2000円のメニューがあるとすると、原価は1000円もいかないですよね。そうした粗利の高いものを提供しているところと組んでお届けすれば、配達料500円で運ぶこともできそうです。宅配サービスとの連携も検討しています。いま過疎地では宅配サービスの地域拠点も少なく、ラストワンマイル問題は深刻化しています。代わりに新聞販売店が拠点になれば、1個いくらでできるのかなと。

【田原】そこまでいくと地域の物流インフラとして期待できますね。

【鯉渕】いまヤマト運輸さんの配送センターが全国に約4000あります。私たちも将来的には同数程度の地域の販売店さんをカバーしていきたいと思っています。そこから都市部の販売店さんを除いて、過疎地を中心に1000店くらいにドローンが置いてある状況をつくれたらおもしろいですね。